ファッションしらいし

事業再構築補助金を活用した、創業30年の都内アパレル製造業本社屋の改修工事

コロナ禍で世界中の経済はシュリンクしました。都内で縫製業を営むファッションしらいしも例に漏れず、大きな打撃を受けました。ファッションしらいしは元々アパレルの受託加工と自社ブランドのオーダーメイドお受験服を展開してきました。コロナ禍で主軸だった事業が全て無くなり、会社は経営危機に立たされました。
そこで新たな事業として、医療現場向けアイソレーションガウンを開発・製造を始めました。ガウン型紙や縫製方法などを全て情報公開することで、だれでも作れるオープンソースとしたことも大きな意義があります。
危機的な状況だからこそ、新規事業を立ち上げ、業界の活性化を図りたい、白石社長が本社屋の改装を考えたのはそんな時でした。


事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済環境の変化に対応するために、中小企業等の新分野展開、業態転換、業種転換等の思い切った「事業再構築」の挑戦を支援する補助金です。本プロジェクトでは6000万円までの支援が受けられるかどうかを、経営戦略・新規事業計画の両面からアイデアを出しました。


申請時にまとめた改修計画案の資料↓。これに新規事業の意義や将来見通し・収益計画などを付けて申請を行い、見事採択されました。


以前の本社屋(写真)⬇︎

BEFORE 1:改修前の外観。外壁にひび割れが進行し雨漏りの危険信号。玄関周りもお客様を迎え入れるには厳しいしつらえ。


BEFORE 2:従業員用の駐輪場、商品の出荷時に邪魔になる等。下駄箱も無造作に散乱した状態。

BEFORE 3:内部は階段室も痛みが激しく電気配線が露出。縫製室は天井が低く、窓は単板ガラスで夏暑く、冬寒い厳しい室内環境。


BEFORE 4:本来接客をする応接フロア。縫製室に入りきらない物が所狭しと置かれており、扉を外して行き来ができるが、間仕切りが邪魔でデッドスペースも多い。

BEFORE 5:非効率な収納状況と痛んだ屋上防水。

そして改修工事後 ⬇︎
AFTER 1:外壁のひび割れを補修し、豊かな質感の外壁材で外観の印象を一新。


AFTER 2:エントランスの庇を製作。玄関扉も質感を合わせて入れ替えを行う。

AFTER 3:縫製室は天井を取り払い、配管・配線を整理して天井高が高い部分を多く作った。窓は2重サッシにし断熱・防音性を高めた。壁面収納と窓際作業台を追加。

AFTER 4:玄関のシューズクローゼット。来客用も兼ねて扉仕様に。表面に真鍮を張り、上質で明るく広い印象に。 

AFTER 5:玄関ホールには織物のような壁材を付け、階段室は塗り直し(壁天井)と張り直し(床)で明るく清潔な印象に


AFTER 6:男女別々に改装したトイレ

AFTER 7:オフィス(奥)とカフェスペース(手前)は大きなガラス引戸を開閉して多目的に使う

AFTER 8:カフェスペースの向かいに設けたお客様用ショールーム。鏡張り収納の中に商品を入れる。窓際に更衣室も。

AFTER 9:最上階のアトリエ兼イベントスペースは大きなワンルームに。原反(ロール状の布素材)用収納棚を北側の収納庫に設置。機能的でローコストの什器。


AFTER 10:配線ラックと分電盤に電気配線を整理。屋外の配管ルートを明確にし屋外に並べてメンテナンスしやすく。屋上防水を直し、高効率・省エネエアコンに入れ替える。

AFTER 11:改修後、社員ののモチベーションが上がったのはもちろん、翌年の求人募集が大幅に増えたとのこと。職場環境を整備し、働きやすい仕事環境が生まれ、好循環で回り始めました。

(注意)本記事は非公開記事となっています。内容の転載や特定の個人への連絡などはお控え頂きますようお願い致します 。

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